こんにちは。Manahau Dogのきむらです。

行き心地の良い町ー犬トレ的解釈 最終章です。

生き心地の良い町という著書を犬のトレーニング的に解釈していくシリーズです。(^^

前回2回分はこちらから

【コラム】生き心地の良い町ー犬トレ的解釈1
【コラム】生き心地の良い町2ー犬トレ的解釈2 

今回も犬との関係にとても参考になる
本書にあった海部町コミュニティの特徴を紹介。

Kaifu Port

それは
ゆるやかにつながる

この海部町は物理的には密集度が極めて高く、住民同士の接触は高いそうだ。
特に密集した居住地では隣の電話での会話すら聞こえてくる生活を送っている。
プライバシーの保護などまるで現実味がない。著者は言っています。

しかし、この海部町のコミュニティの特徴は
多くの田舎の町や村に見られる粘着質的な関係がないそうです。 

基本は放任主義であり、必要があれば過不足なく援助するというような、
どちらかと言えば淡白なコミュニケーションの様子が窺えるそうだ。

一言で言えば、「ゆるやかな絆」が維持されている。

とは言え、人に興味がないというわけではなく
むしろ興味津々らしい(笑)

海部町から上京した人に、どのような点がもっとも海部町と違うかという質問を著者がすると
彼はこう答えたそうです。

東京の人はあんまり他人に関心がないんやな、っと思いました。

また、初めての異文化体験 他町の出身者が混ざり合う高校生活を送っている
少女に同じような質問をすると 

高校へ入って、ほかの町の子ぉらって、あんまり人に関心ないんやなと思った

っと答えたという。

一見、「ゆるやかな絆」と「人に関心がある」というのは矛盾しているように思えるが
海部町の人に言わせると
「人に関心をもつのと、監視してるのとは違う」
ということらしい。

なるほど!

このニュアンスの違いが区別ができている人々であれば、
興味津々の隣人に囲まれてたときにはわずらしい気分にはなっても、
閉塞感に苛まれるまでにはいたらないのではないかと思われる。

っと著者は言っていました。

実に興味深い!!

僕もこのブログでは”犬と飼い主にも距離は必要”っと言ってきました。
どちらかと言うと、犬との関係は多くの田舎町のような粘着質の関係を築く飼い主さんが
日本では多いです。

そして、興味津々を越して、いつでも監視体制。
少し動いても監視、監視!

双方に依存が始まります。

犬と人間にもある程度の距離感は必要です。

犬を放っておくこと、著書の言葉でいうと”ゆるやかな絆”が犬との間でも
大切です。 

住みやすい距離、心地良い距離は人も犬も変わらないのだなと思いました。 

その他、自殺率が日本一低い海部町ですがうつ病での受診者が他町より多かったり
”幸せ”っと感じている人が低かったり、面白いデータがたくさんあります。

とても面白い本でしたので皆さんも是非読んでみてください。
犬との関係や、自分自身の考え方にも良い影響を与えてくれると思います。

 

今日の教訓

犬との間には”ゆるやかな絆”が必要

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写真:Wikipedia