こんにちは。ManahauDogのきむらです。

 

今日はコラム

 

インターネットが誕生して以来、個人でも手にできる情報がとっても増えました。
現代人の一日の情報量は江戸時代人の一生分とも言われています。

手にできる情報が多いのはいいことですが、そればかりでもない。

 

例えば、ダイエットに関する情報、健康に関する情報など集めようとしても人によって言うことが違い
迷ってしまうこともしばしばあります。

 

歩くのは健康にいいが、朝に歩くほうがいいとか 夕方に歩くほうがいいとか。
この食品は健康にいいとか、健康に悪いとか・・・

 

どうやって、真実を見抜くかは難しいですが、重要な事は科学的根拠を元に話しているかどうか。
テレビを見ていても、科学的根拠がないにも関わらず健康に関して語っているお医者さんもいるので困ったものです。
ただ、どちらも言っている事は正しくても立場の違いによって意見が分かれる時もあります。

 

犬業界でもそれがあり、それは「犬のトレーナー vs 獣医 仔犬社会化問題」

 

獣医さんの殆どは、ワクチンを3回終わるまで「絶対外に出すな、お散歩出すな」という方が多くいます。

 

それに対し、トレーナーは最後のワクチンを打つ前から外に出すことを推奨する人が多いのではないでしょうか。
僕は仔犬のトレーニングをする時は、体が弱い子は別として早くから外に出すことを推奨しています。

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仔犬のワクチンはパルボやジステンパーなど生命に関わる大きな病気を避けるために行なわれます。
医学的に仔犬の健康を担保するなら「外に出すな」と言うのは正しいと思うのですが、行動学的には問題が起こってきます。

 

と言うのは、仔犬には社会化という人生(犬生)で最も大切な時期とも言える時期が生後2ヶ月〜3ヶ月にあります。
その時期は色々な体験をさせて、生活環境に慣れさせていく時期なのですがそれがちょうどワクチンの時期と重なってしまいワクチンが完了頃には社会化の期間が終わってしまいます。
柔軟になんでも受け入れる時期が過ぎてしますのです。

 

これは犬の成長、犬の性格や行動に大きな影響を及ぼします。
問題行動と呼ばれる行動の原因の多くは社会化不足によるものがあります。

 

アメリカの統計では、仔犬がパルボやジステンパーなどで死亡する確率よりも
社会化不足による問題行動で殺処分されてしまうリスクの方が高いという統計もあります。

 

つまり、多少の健康面のリスクを取らなかったことが、そのまま問題行動のリスクになってしまう事になりかねないということ。

 

どちらのリスクを取るかという問題になるので、個々に意見の違いは当然あるでしょうが
トレーナーという立場で言えば、ワクチンを受けていれば最後のワクチンを受ける前に外に出しても
大きな問題になる確率は少ないかと思います。

実際に問題になったことは個人的にはありません。 

 

また、アメリカ動物病院協会ではこんな統計があります。 

パルボとパピークラス  

 

一回でもパルボウィルスのワクチン接種していれば、生後4ヶ月以内でパピークラスに参加しても
パルボにかかるリスクは少ない。

 

今の日本の傾向として、リスクゼロを求める声が大きく叫ばれますがこの世の中リスクゼロなんてものはありません。
豊洲市場問題だって、老朽化、アスベスト問題がある築地の方が明らかにリスクでしょう。 

 

飛行機を異様に怖がり、車移動をする人もいると思いますが生きているうちに飛行機事故に合う確率は数字的にはほぼゼロに近い。
車の方がよっぽど事故に遭う確率は高いです。 

 

現状維持が決して、リスクが低いわけではない。 正しいリスクをとっていくことが大切になってきます。

 

犬、仔犬も一緒で「ただ危険そう」とか「怖そう」っというイメージではなく
正しく理解して正しくリスクをとっていく そこが重要になっていくるのではないかと思います。
 

 

今日の教訓

 

正しくリスクをとっていく。

 

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