こんにちは。Manahau Dogのきむらです。

 

今日はわんこ実験のご紹介。

 

しつけを行っていて、クライアントさんによくこういう質問を受けます。

「犬が間違った行動をした時、どうやって教えたらいいか」
「やって欲しくない行動をした時、 どうやって怒ったらいいのか」

 

本当に犬に間違いを教えた方がいいのでしょうか?

Wrong way

 

ニューヨーク市立大学の研究者が犬の学習に関する実験をしました。

27頭の犬が実験に参加し、2つのグループに分け

一つのグループはやって欲しい行動、正解の行動のみに合図(クリッカー)を出し報酬を与える。
もう一つのグループは同じくやって欲しい行動の時合図が出てきて報酬を受けます。
が、間違った行動をしたらピアノの音が聞こえ間違いを指摘されます。

 

つまり、一方は正解のみに報酬
もう一方は正解には報酬が与えられるが、間違ったら「間違ってるよ」っと教えられ報酬なし

 

この違いで学習の差は出たのでしょうか?

 

犬が学習する行動は単純で、床に置いてある輪っかに両足を入れるという行動。
これを6つのレベルに分け、最高レベルの行動は声のみで犬が正しい行動を行うということ。
それを目的としてトレーニングしました。

 

結果は明らかでした。 どっちが良かったと思いますか?? 

 

結果が良かったのは前者のグループ
正解のみに合図、報酬が出て、間違った行動をした場合は単純に無視されるグループのほうが
明らかに学習の進みが早く、良い結果が出ました。

 

実験のセッションでは
正解のみ合図の犬たちは平均でレベル4(最高6)に達したのに対し
正解と間違いの両方を合図された犬たちは平均でレベル1までしか到達出来なかった。

 

正解率も前者のグループは60%に対し
正解も間違った行動も合図された犬達は27%  約2倍もの学習効果の違いが出た。

 

研究者はこの実験をこうまとめています。

「間違っている」という合図は明らかに犬のパフォーマンスに影響を与え
早い段階のレベルから失敗する犬が続出した。

このグループはどの犬もレベル2をパスすることが出来なかった。

大きな理由として、間違いを指摘されるグループの犬たちはトレーニングの途中で飽きてやめてしまうこと。

 

とのことでした。

 

面白い実験ですね。
確かに人間でも同じようなことありますよね。 一生懸命、問題を解こうとしているのに
周りから「それ違う」「それも違う」って言われたら

「黙ってて! 1人でやらせて」ってなりませんか?

 

それを続けられたら

「あーー うるさい もうやらない!」ってなりそうですね。 僕はそうです。

実際、実験でワンコ達はそうなったようですし。 

 

なるほどの結果。

 

正しい行動をして欲しかったら、それを犬自身が見つけるまで黙ってろってことですね(笑)

 

間違いを指摘するのではなく、その正しい行動を導き出す 誘導する
それがトレーニングテクニックの見せ所です(笑) 

 

けっこう根気がいることですが、頑張ってやっていきましょう。

 

今日の教訓

 

犬の間違いを指摘しない。 学習効果は低下する。 

 

出典元: 

Psychology Today

Naomi Rotenberg (2015). Training a New Trick Using No-Reward Markers: Effects on Dogs’ Performance and Stress Behaviors.